目の健康維持のために

年をとっても視力を維持できるのは、遺伝子に起因するところが大きいものの、食事の内容も、目の全体的な健康において、重要な役割を果たしています。緑内障のような複雑な病気は例外ですが、白内障については、その原因や利用可能な治療法に、議論の余地が残されています

一般的に白内障は高齢者に多いとされていますが、ステロイドの長期使用や糖尿病の合併症として生じることもあります。世界保健機構によると、現在アメリカだけでも約1200万~1500万もの人々が、白内障によって視力を奪われたと見積もられています

白内障はフリーラジカルによる損傷によってレンズ(光が通る目の柔軟で透明な部分)内にタンパク質が蓄積することで生じます。このレンズ内に蓄積さ れるタンパク質が高血糖値によって悪化することが、多くの糖尿病患者に白内障の形成が見られる原因です。これらのタンパク質によってレンズに光が浸透し難 くなるため、視界がぼやけるようになります。こういった状態は、時間の経過とともに悪化する一方で、治療を受けずにいると、全盲に帰着する可能性さえあり ます。

しかしながら、比較的単純なステップを踏むことで、白内障の発症を防ぐことが可能であるだけでなく、外科手術を必要としない治療法もいくつかあります。

以下は白内障をはじめとする眼病の兆候です。該当する項目のある人は、眼科医にかかるようにしてください。

  • 霧視、かすみ目などの視力障害が進行している
  • 視界に黒い点や透明な糸くずのようなものが見える(飛蚊症
  • 夜間に運転し辛い
  • 街灯や直射日光が明る過ぎると感じる
  • 色の判定(特に青)が難しく感じられる
  • 視力の悪化から頻繁に眼鏡を作り変える必要がある

従来の白内障治療は、個人の状態に依存しています。視力が急速に損なわれた場合は、手術によって損害を受けたレンズを取り外し、人工レンズと交換することが、最善の選択であると考えられます。手術の成功率は高く、ほとんどの場合、視力は完全に回復します。

フリーラジカルの露出を下げる予防処置には、以下のものがあります。

  • 禁煙。
  • 紫外線を遮断するサングラスを着用する。
  • ビタミンC(1日1.000mg)、ベータカロチン(1日10.000IU)、ビタミンE(1日400IU)などの酸化防止剤を服用する。
  • 健康的で栄養に富んだ食生活を心がける。

また、水晶体タンパク質の蓄積を強化することから、高果糖コーンシロップをはじめとする精製糖の摂取量を減らすことが賢明です。トルコのアンカラ軍 事医科大学眼科部の研究者によって2005年に行われた動物実験では、ヘイゼルナッツが白内障症を軽減させることが明らかにされていることから、ナッツ・ アレルギーのない人は、ヘイゼルナッツを多く食べるといいでしょう。以下のサプリメント類が、特に遺伝的要素に起因する白内障の危険性を減らすことも知ら れています。

  • カルノシン‐体内に(特に筋肉に多く)自然に存在する合成物で、フリーラジカルによる攻撃から接眼レンズを守る。
  • N-アセチルカルノシン‐カ ルノシンの変異体。カルノシン同様、フリーラジカルからの損傷を妨げるが、生物学的活性が長く続くため、点眼薬として目の治療により多く利用されている。 水溶液(レンズを囲む流体領域)にL-カルノシンを届けることで、水晶体蛋白の構造を酸化から守る。老人性白内障患者を対象に行われた臨床試験では、1日 2回、6ヵ月間の適用で、反射感度が88.9%、レンズの光送信能力が41.5%、視力が90%改善されたことが、統計的に示されている。
  • イノシトール‐ビタミンB複合体の一部であり、眼組織の重要な要素である。レベルが低くなると白内障が形成されることから、サプリメントによる補給が有用であると考えられる。
  • クルクミン‐酸化防止剤として知られる。インドカレーに広く使われている成分。ハイデラバートのオスマニア大学に勤務する生理学研究者たちによって、ビタミンEと併用することで、白内障の発病率をかなり軽減することが明らかにされている。
  • ルテインとゼアキサンチン‐目にとって重要な栄養分。白内障の形成と、網膜に影響を及ぼして視覚の分損を引き起こす黄斑変性から、目を保護する。ともにサプリメントによる補給も可能であるが、食べ物から得ることもできる。

酸化防止剤が多くの変性疾患を防ぐことが知られていますが、身体だけでなく、目の健康にとっても、健康的な栄養に富んだ食事は重要です。遺伝子的な 性質による白内障の発現は避けられない場合がありますが、これまで説明してきた予防ステップを今から始めることで、病気の進行を遅らせたり、全体的な危険 を減らすことが可能になります。