スーパーフードで健康に

リチャード・リップマン博士

 

スーパーフードというのは、身体によいとされる植物由来の栄養素(フィトニュートリエント)を豊富に含む食べ物で、摂取することで血圧やコレステロール値を抑えられることから、さまざまな疾患を予防することができます。

肥満につながるフルクトース(果糖)

食事性フルクトースの過剰摂取は、代謝を崩壊させたり、糖尿病を引き起こすなど、私たちの健康と寿命にとって、非常に危険なことが分かっています。 フルクトースは、天然に存在する糖の中で最も甘く、低コストであることから、商業的に食品や飲料に多用されています。例えば、コップ1杯のオレンジジュー スには、約35グラムものフルクトースが含まれていますが、こういったフルーツドリンクの摂取が、痛風の原因に成り得ることが確認されています。

もうひとつ、フルクトースの過剰摂取によって、食欲抑制ホルモンであるレプチンやグレリンの働きが阻害されてしまうことから、食欲が抑えられずに肥 満のリスクが増大してしまうという問題があります。中でも、フルクトースの摂取と腹部周りの脂肪に、直接的な相関関係のあることが示されています。

この悪循環は留まるところを知らず、行き着く先は肥満外科手術台の上、ということにもなりかねません。肥満が社会問題になっているアメリカなどに比 べると、日本の肥満人口は比較的少ないものの、日本人は欧米人に比べて肥満指数が低くても糖尿病などにかかりやすいため、注意が必要です

認知障害に至る肥満

中年期の肥満が、高齢期における認知症の発症リスクを高めることが、研究の結果明らかにされています。肥満には皮下脂肪型肥満と内蔵型肥満がありま すが、特に危険なのが倍増型肥満と呼ばれる腹部肥満で、そうでない人と比較して、将来認知症を患うリスクが1.9~3.6倍にもなります。

炎症の抑制‐長生きの秘訣

フルクトースが多く含まれる食事によって、腹部に脂肪が蓄積されることで、第3の病気、すなわち炎症が引き起こされることになります。腹部脂肪およ びレプチン抵抗の増加は、特に50歳から80歳にかけて見られる老化の多くの原因である、炎症性サイトカインに帰着します。実際に、炎症のあるなしが、 80歳を過ぎても生きていられるかどうかの分かれ道となります。あなたの周囲に、太り過ぎの高齢者がどれだけいるか考えてみてください。

グリケーション‐グルコースに比べて10倍も速いフルクドースの生体内糖化反応

フルクトースやグルコースなどの糖が、酵素の働きなしにタンパク質や脂質に結合するグリケーションも、オプティマルヘルスにとって障害となります。 グリケーションによって生じる最終糖化産物の蓄積が、さまざまな加齢性組織障害に関わっていることが示唆されています。白内障もその1つであると考えられ ますが、抗グリケーション剤であるCan-C点眼薬を使用することで、こういった酸化反応およびフリーラジカル反応を逆転させ、外科手術なしに視力を回復 させることができます。また、糖分の低い食事を心がけることで、グリケーションを抑えることができるでしょう。

高カロリー、高塩分で、多量の糖分が含まれるジャンクフードも非常に危険です。栄養価のバランスを著しく欠いたジャンクフードの摂取は、糖尿病、心血管疾患、癌などと関連付けられる、肥満のリスクを高めることが報告されています。

ジャンクフードには、ドーナツやポテトといった、硬化油や熱した植物油で揚げた食べ物、バーガー、ソーセージ、ホットドッグ、トウモロコシ製品、ア ルコール飲料、ソフトドリンク、スポーツドリンク、人工甘味料、ピーナッツバター、低音殺菌されたノンオーガニック乳製品なども含まれます。

ジャンクフードの摂取よりも、さらに恐ろしいのが、例えば米国農務省が、マーケティング・エージェンシーを通して、チーズの消費量を積極的に促進し ている事実です。これによって、全国のピザ・チェーン・レストランで、先を争うようにチーズのトッピング量が追加されたのに加えて、過去30年間で、スキ ムミルクの消費が減少したのとは対照的に、チーズの消費量は3倍にも跳ね上がっています。

消化不良‐サイレントキラー

過剰なフルクトースおよびジャンクフードによってもたらされるのが、消化不良です。アメリカでは60歳以上の半数が悩まされている消化不良によっ て、栄養が十分に吸収できなくなり、イースト、原虫類、病原体などが腸に蓄積することになります。こういった状況を解決するために、ダイジェスティフの服 用をお勧めします。ダイジェスティフには、地中海の特別なゴムの木から抽出されるマスチックが含まれていますが、これは今から約2千400年も前のギリ シャで、ヘリコバクター・ピロリなどの腸内病原菌を殺すために、既に内科医によって使われていました。

病原体を殺菌した後に、スーパー・フード(生きた燃料)に加えて、アシドフィルズ菌などのプロバイオティクスを飲み、健康な腸内細菌を回復させることで、よりよい消化と、免疫系の強化が促進されるでしょう。

地球上で最も有害なフリーラジカルの排除

フリーラジカルの危険性について知る人は多くありませんが、私たちのDNAは、劇毒性のヒドロキシフリーラジカルによって誘発される衝撃によって、 毎日実に約7千回も攻撃を受け、破壊されています。また、フリーラジカルは、酸化したコレステロールと一緒になって動脈を詰まらせるため、年齢とともに心 疾患の発症リスクが高まることになります。残念ながら、近代医療には、フリーラジカルを制限することで高血圧やアテローム斑を予防するアプローチは取り入 れられておらず、深刻な副作用を伴うスタチン薬を使った高額な治療ばかりが行われているのが現状です。

1978年に最初の学術論文を発表して以来、酸化防止剤について広範囲な研究を行ってきた私は、フリーラジカルが疾病や老化の原因となることを確信 しています。フラボノイドとカテキンは特に、疾病や老化による悪影響を縮小しますが、酸化防止剤の大量投与は長寿に結びつかないこと、また加齢性の病気を 予防しないことから、こういった酸化防止剤の消費には、十分な注意が必要です。

酸化防止剤は、大量投与することで酸化促進剤に変化し、私たちの細胞の細かく調整された化学的メカニズムを崩壊させてしまいます。健康と長寿を目的 とした酸化防止剤の補足は、高用量ではなく、生理的な適量に抑えられるべきです。私自身が開発した非侵入性の近赤外線分光計を用いて、ボランティアの体内 フリーラジカル、酸化防止物質、および過酸化脂質をモニタリングするという、何千もの臨床実験を通して得た結論から、フリーラジカルの捕捉にACF228 を使用されることを強くお勧めします。

よい食事脂肪と悪い食事脂肪
バランスの取れた食事には、食事脂肪の選択も重要です。最も最悪なのがトランス脂肪である一方で、信じられないかもしれませんが、最も好ましい脂肪は、な んと普通のバターなのです。加熱調理されても、バターだけが化学上、毒素に変換されないのです。バターが他のどんな食用油より優れていることを知っていた フランス人は、千年もの間バターを使い続けてきました。

バターの次に健康的なのが、魚や子羊に由来するオメガ3です。オメガ3は、栄養が簡単に通り抜けられるように、細胞膜の流動性を高めてくれます。オ メガ3の摂取には魚油カプセルが最適とされていますが、実際には、DHAとEPAしか含まないカプセルよりも、40以上のエッセンシャルオイルとミネラル (セレン)を含む、新鮮な生魚(刺身)の方がはるかに優れています。日本、韓国、フランス、スウェーデン、イタリア、およびギリシャにおける、何千年も続 けられてきた伝統的な調理法が、1日に1度は新鮮で汚染されていない生魚と野菜を食べることで、私たちの健康と長寿を大幅に向上できるという事実を証明し ています。

このペイリオダイエットと呼ばれる、昔の人が食べていたような食事を実行するには、1日に食べるものの半分をローフード(生のまま食べる食事法)にする必要があります。


糖分の最小化と食事蛋白質の増加
私たちは皆、砂糖と、穀物、シロップ、パスタ、じゃがいも、白米、オートミール、パンといった血糖食品の摂取を控えて、有機卵といった自然の恵みをもっと 食べるべきです。特に高齢者の場合、有機卵、七面鳥、および乳漿蛋白の消費によって、老化のサインであり、健康障害や寿命を早める、サルコペニア(進行性 かつ全身性の骨格筋量および骨格筋力の低下を特徴とする症候群)や器官収縮などを予防することができます。